鑑賞映画リスト(255件)

#255 2017.5.21 トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡 2017 新宿武蔵野館   銚子から外川(とがわ)まで銚子電鉄というローカル私鉄が走っている。高校時代にこれに乗って犬吠埼に行ったことがある。それが青春映画の舞台になるとは。銚子電鉄は何度もの廃線危機を乗り越えた「奇跡の電車」とよばれている。沿線の高校生たちが銚電起こしイベントを企画する。銚電と自分たちが走るのとどちらが早いか競おうというものだ。そこに様々な「大人の事情」が絡み合う。この伏線が単なる青春礼賛映画に終わらせないスパイスになっている。「鉄道は人と人をつなぐトモシビだ」との泣かせる台詞も出てくる。主演の松風理咲のさわやかな演技もよかったが、その母親で未亡人役の富田靖子や認知症の老人役の井上順がいい味を出していた。
#254 2017.5.4 ソング・オブ・ザ・シー 海のうた アイルランドほか 2014 高田世界館   帰省の折に長女と観にいく。もはや帰省恒例となった高田世界館での映画鑑賞。今回はアイルランドの神話に基づくアニメ。竹取物語ではかぐや姫は月に帰るが、この物語では主人公シアーシャの母親は実はアザラシの妖精で海に帰る。ジブリの『千と千尋の神隠し』に出てくる魔女の湯婆婆(ゆばーば)を思い起こさせるおばあちゃん妖精も出てくる。ジブリ大好きの長女はおもしろかったといっていたが、私はどうもこの世界に入り込めなかった。
#253 2017.4.29 「知事抹殺」の真実 2016 渋谷アップリンク   2006年に佐藤栄佐久福島県知事が収賄罪で逮捕された。有罪判決が確定したが、収賄額はなんと0円だった。「闇権力の執行人」が原発反対だった佐藤に魔の手をかけたのだ。佐藤は東京拘置所での取調中に、支持者が検察の取調べに苦しめられ自殺を図る者まで出ているのを知らされ、虚偽の自白をして支持者を救おうと決意する。国家権力がその気になれば、犯罪をでっち上げて知事を「落とす」ことなど朝飯前なのだ。まして一介の個人はと考えたら悪寒が走った。裁判では、知事室が記録していた佐藤の克明な行動記録が検察の筋書きを突き崩した。なによりも事実は強い。手帳にこまめに記録を付けておこう。この国策捜査でやはり逮捕された佐藤の実弟の言葉が胸に突き刺さる。「検事は被疑者など人間と思っていない」「この国は司法に関しては後進国だ」
#252 2017.4.23 人生タクシー イラン 2015 新宿武蔵野館   長女と観に行く。ふだん映画を観る前にはその映画についての予備知識はできるだけもたないようにしている。ネタバレは興趣がそがれる。ところが、この映画ばかりはきちんと予習して観るべきだったと見終わった瞬間に後悔した。表現の自由を厳しく禁圧するイランで、20年間の映画製作禁止令を受けたジャファル・パナヒ監督がタクシー運転手に扮してテヘラン市街を流して、乗り込んでくる乗客の市民生活を車載カメラから活写するドキュメンタリー・タッチの作品。死刑執行数がイランは中国に次いで多いことを嘆く学校の先生、禁止されている欧米の映画の海賊版DVDが売買される場面、正午までに金魚を泉に戻さないと自分たちが死んでしまうと乗り込んでくる老婆2人組、監督のおしゃべりでおませでかわいい姪など。もちろんイランでは上映禁止だ。最後は監督と姪が泉へ金魚を確認しにいったすきに、車上荒らしに入られて画面が真っ黒になって幕となる。テヘランの道路にハンプ(自動車の速度を落とす目的で道路上に設置されたかまぼこ状の突起)があったのにはびっくりした。日本ではまったく普及が進まない。
#251 2017.4.21 未成年 続・キューポラのある街 1965 ビデオ鑑賞 自宅にて 「キューポラのある街」で吉永小百合扮する主人公ジュンは中学3年生の設定だが、その3年後の本作では定時制高校3年生になっている。昼間はカメラ工場勤務である。大学進学を夢見てコツコツ貯金している。ところが、鋳物職人の父は機械化のあおりで職場を追われ、ボーイフレンドの克巳は事業に失敗して多額の借金を抱える。ジュンはせっかくの貯金を全額克巳に用立てて、定時制高校を退学せざるを得なくなる。それでも逆境に負けまいと、ジュンがまなじりを決して歩くシーンで終わる。実はこの映画の裏テーマは北朝鮮帰国事業なのだ。前作ではジュンの親友のヨシエが朝鮮人の父とともに北朝鮮へ帰る。日本人の母を残して。本作はヨシエが北朝鮮で幸せに暮らしているとジュンに伝えるシーンからはじまる。ジュンは朝鮮高校の男子生徒に心を惹かれる。その男子生徒からヨシエの父ががんで入院したと知らされたジュンは、ヨシエの母親に北朝鮮に渡るように勧める。ついに母親はその決意を固めて出国の途に就く──。これが当時の時代の気分だったのだ。
#250 2017.4.3 標的の島 風(かじ)かたか 2017 ポレポレ東中野   辺野古の新基地建設や高江のヘリパッド建設に反対する人々の体を張った抵抗の様子を描いたものだろうと思っていた。もちろんその闘いぶりも十分に取り上げられているが、むしろ興味深かったのは、宮古島、石垣島、与那国島といった先島諸島の住民たちの反対運動である。ここでも自衛隊が配備され、あるいは配備するための準備が着々と進められているのだ。まさに不明を恥じた。第2次大戦の末期、これらの島々では地上戦はなかったが、日本軍が駐留してきて住民をマラリアが猖獗をきわめる地帯へ強制疎開させたという。軍は住民を守らないことを彼らは決して忘れない。「本土」の「風(かじ)かたか〔風よけの意〕」に再びなってたまるかとの経験に裏打ちされた意識が彼らを鼓舞する。ラストは高江。県外から大量動員された警官隊に排除される住民たちが、警察官に「あんたたちのやってることの意味がわかるか」と食い下がる。無表情の若い警察官たち。「おれたちだってやりたくてやってるんじゃない」と言い訳しているようだった。
#249 2017.4.1 ムーンライト 2016 TOHOシネマズ新宿   2017年のアカデミー作品賞を受賞した1本。「映画館を出る時には人生が変わっている」とのセールストークは誇大だが、『ラ・ラ・ランド』よりははるかにマシだった。ただ対照的に、笑えるシーンも恋にときめくシーンも一切ない。重たいトーンが全体を貫く。ドラッグの売人として生計を立てている黒人のおじさんに心を開いた内向的な黒人少年が、最後には自分もドラッグの売人になって羽振りをきかす。とはいえ、彼の母はドラッグ中毒、彼自身はLGBT。マイアミ、そしてアトランタ。アメリカ南部の病巣がえぐられている。『シェルブールの雨傘』のように、明確に3部構成になっているのはわかりやすくてよかった。食事のシーンが何度も出てくる。アメリカではこんなものを食べているのかとあぜんとさせられた。すべて油ギトギトだ。ラストの舞台となる、主人公の親友が勤めるレストラン以外は。ただ、そのレストランに星条旗の小旗がこれでもかと飾られていることにうんざりした
#248 2017.3.30 おとなの事情 2016 新宿シネマカリテ   新宿シネマカリテ おとな7人(夫婦3組+男性1人)が集まったホームパーティでひょんなことから、全員がスマホをテーブルに出して、かかってくる電話やメールをさらすことになる。ところが、夫婦とはいえ隠し事はいっぱいある。各自が「事情」を隠すために嘘に嘘を重ねることになり、パーティはてんやわんやとなる。台詞に含みがあっておもしろいのだが、最初の30分くらいは会話のテンポが速くて字幕を読むのが精一杯なのが残念。吹き替えでかけたらもっと楽しめたろう。「事情」は不倫ばかりか、やっかいな義母を老人ホームに追い出す計略だったり、カミングアウトできないLGBTだったりする。共謀罪が現実味を増しているなか、他愛もないコメディとはとても思えなかった。日本風にいえばマンションが舞台なのだが、キッチンとリビングのなんて広いこと。うらやましい限りだ。ワインをがぶ飲みしたパーティのあと、みんなクルマで帰る。イタリアでは酔っ払い運転はOKなのか。その後のラストシーンには大笑いした。
#247 2017.3.20 わたしは、ダニエル・ブレイク 英仏ベルギー 2016 新宿武蔵野館   ケン・ローチ監督のイギリス社会への怒りを込めた傑作。展開がわかりやすいのもよかった。病気で失業したベテランの大工ダニエル・ブレイクが、手当の申請に日本でいえばハローワークを訪れる。職員の血の通わない対応に憤慨しながらも、手続きに従うことに。そこでロンドンからやってきたシングルマザーのケイティが職員とやり合う場面に出くわす。ダニエルはケイティに加勢してハローワークを追い出される。これをきっかけに二人は互助的友情を深めていく。ダニエルがフードバンクにケイティとその子どもを連れて行く。ケイティが「生理用品がない」とスタッフに嘆く。その後、雑貨店で彼女は生理用品を万引きして警備員につかまる。現代の絶対的貧困が強烈に示唆される。ハローワークの対応にキレたダニエルが建物の壁に、“I,DANIEL BLAKE”などとスプレーで落書きするシーンは圧巻。チャップリンの「ニューヨークの王様」のラストで、非米活動委員会に召喚された王様が消火ホースからの放水で委員たちを「水責め」にしたシーンを思い出した。
#246 2017.3.12 スプリング、ハズ、カム 2017 新宿武蔵野館   妻と長女と3人で観に行く。おかしさの中にも切なさがこみあげてくるいい映画だった。娘の出産の翌日に妻を亡くした主人公。男手ひとつで娘を育てて、ついに娘は東京の大学に合格して広島の実家を出ることになる。2月末に父娘で娘の下宿先を探す1日に、二人はひょんなことから様々な人々に出会い、人間模様が交錯する。実は、娘は地元の短大への進学を望んだが、いつまでも実家にいて自分に気を遣わせてはいけないと、父親が東京行きを勧めたのだった。この1日が父親と娘それぞれにとって、心の整理を付ける時間となる。1日の最後に父親が娘をおんぶするシーンにジーンときた。「スプリング、ハズ、カム」という書き方が変わっているが、二つの「、」に娘との別れになる、来てほしくない春がついに来てしまったという含意があるのだと、観終えてわかった。
#245 2017.3.10 沈黙─サイレンス─ 米伊メキシコ 2016 角川シネマ新宿   遠藤周作の原作をスコセッシ監督が映画化した。162分という比較的長尺ものだが、長さを感じさせない場面展開はさすがだ。当時の人々の信仰の篤さは現在からはとても想像がつかない。来日した神父を「転ばせる」ために、本人への拷問ではなく、そんな信仰篤き信者を拷問する様を見せつける、心の拷問が行われた。ついに神父は「転ぶ」。踏み絵を踏む。その後、日本名と日本人妻を授けられ、キリスト教を連想させる禁制品をチェックする仕事に携わる。そして日本で死去する。葬儀の折に、妻が遺体の手に小さな十字架を密かに握らせる。荼毘の炎の中でそれが明らかにされる。本心では生涯「転んで」はいなかったのだ。心に深く刻印されたものは、どんな力によっても決して変えられない。
#244 2017.3.3 タイタンズを忘れない 2000 DVD鑑賞 ゼミ有志と 年度末恒例の追いコン前のゼミ有志との「シアター・ゼミ」。私はアメフト大好きなのだが、ルールがわからないゼミ生にはちょっとキツイかなと余計な心配をしてしまう。しかし、その後の追いコンでそれは杞憂だったとわかり安心する。1970年代のヴァージニア州での人種統合高校へ黒人のアメフト鬼コーチが赴任する。実績のある白人コーチは守備コーチに降格となる。むしろ選手たちのほうが打ち解けるのが早かった。白人コーチは最後までわだかまりを捨てられなかったが、最後の試合の土壇場に追い詰められて、娘の一言で腹をくくる。このかわいい子役が要所要所で重要な役割を果たす。縦横に張られた伏線がわかりやすく回収されていくのが、小気味いい。それにしても、鬼コーチ役のデンゼル・ワシントン、かっこいいなあ。
#243 2017.3.1 真白の恋 2016 渋谷アップリンク   Yahooの映画レビューで高得点だったので、映画の日にあわせて長女と観に行く。ここも満席だった。軽い知能障害を抱えた女性を主人公としたすばらしい映画だった。淡い恋物語なのだが、深い含意が台詞のそこここにこめられていて、考えさせられるシーンが多かった。真白が障害者であることを教えられた油井君が「障害者ってなにをもってそういうんですか」と反問する。真白が油井君に「東京に行きたい」とせがむが、断られると真白が「障害者だから?」と言い返す。また、はじめてのデートで油井君と自転車を二人乗りする真白が、油井君の腰に手をかけるときの一瞬の戸惑いがしおらしい。舞台となった富山の風景も美しく撮られている。上映終了後に、主演の佐藤みゆきさんの舞台あいさつという幸運に恵まれた。映画館を出た後、長女が「いい映画だったね」と言ってくれたのが、なによりうれしかった。いい映画をみたあとの形容しがたい高揚した気分で渋谷駅まで歩いた。
#242 2017.2.27 母 小林多喜二の母の物語 2017 K’sシネマ   開映15分前に行ったが、客席は中高年ですでにあらかた埋まっていた。主演の寺島しのぶの演技がうますぎて、他の俳優がみな大根にみえてしまった。台詞が優等生的なものばかりでちょっとうんざりした。ベタすぎるというか。駐在の警察官役の徳光和夫がいい味を出していた。登場が1回だけなのが物足りない。なにかの伏線かと思ったのだが、映画らしい意表を突く伏線がまるでない。ただ、熾烈を極めた多喜二への拷問で、二度と小説を書けないように手をへし折ったのだと知り、心に鳥肌が立った。
#241 2017.2.24 ラ・ラ・ランド 2016 TOHOシネマズ府中   まったくの期待外れ。これが「アカデミー賞大本命」とは。自分の映画をみる眼に自信をなくした。ミュージカルといえば「シェルブールの雨傘」や「サウンド・オブ・ミュージック」がすぐに頭に浮かぶ。それとの比較は失礼なくらい駄作にみえた。カネがかかっているのだけはよくわかったけど。
#240 2017.2.20 スノーデン 2016 TOHOシネマズみゆき座   湾岸戦争時にアメリカが、イラクのコンピュータシステムをコンピュータウイルスに感染させて、ミサイルを発射できなくさせたという話を聞いたことがある。いまやサイバー空間のもつ死活性はその比ではない。アメリカは日本のすべてのコンピュータシステムをシャットダウンさせることができる。「日本死ね」はクリック一つで可能なのだ。メールや電話の盗聴はもちろん、室内の盗撮さえできてしまう。スノーデンがパスワードを打ち込むとき、毛布をかぶって手元をみられないようにしたシーンが印象的だった。個人情報は実はだだ漏れなのだ。オーウェルが『1984年』で描いた世界は、まさに現実のものとなっている。戦慄の映画だった。スノーデンの恋人がスノーデンの写真をしょっちゅう撮っていた。これがなにか大どんでん返しの伏線かと思ったが、当てが外れた。
#239 2017.2.19 人生フルーツ 2016 ポレポレ東中野   大ヒットで土日は午前8時30分の回が追加された。日曜日の朝8時ごろ行くともう行列ができていて、びっくりする。最近のはやりなのか、仲のいい老夫婦の生活を描いたドキュメンタリーだった。舞台は愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウン。東京の多摩、大阪の千里と並ぶニュータウンの元祖だ。夫はこの街の設計に携わっていた。しかし実際は夫の夢とゆとりある構想より、当時の経済最優先の思想が取り入れられて、ニュータウンは造成されていく。それでも夫はここに土地を買って、家を建て木々を植えて、宝箱のような住まいを築く。アンチテーゼを証明するかのように。夫婦で農作業に励んで、食卓には取れたての野菜や果物が並ぶ。それが彩り豊かに撮られている。観ながら、徐々に老後への心構えをさせられている気になった。とはいえ、コンクリートの箱の我が家では、あのような暮らしは夢のまた夢だな。樹木希林のナレーションがよくマッチしていた。
#238 2017.2.17 LIVE FOR TODAY –天龍源一郎– 2017 ユナイテッドシネマ豊洲   豊洲まで遠出して観にいった甲斐があった。「ミスター・プロレス」こと天龍源一郎の2015年2月の引退表明から2015年11月15日に両国国技館で引退試合を行うまでを描く。実の娘を自身のプロダクションの代表に据えて、全国のリングを引退興行で行脚する。65歳にしてこのハードスケジュールか! 裸一貫とはこの職業のことだと実感する。「お客さんは命の次に大事なものを払ってみにきている」と、真剣にプロレスに向き合う実直な人柄に心を打たれた。引退試合の対戦相手は、新日本プロレスのエースであるオカダ・カズチカ。最後はオカダが必殺のレインメーカーで天龍をマットに沈める。スリーカウントを奪ったあと、オカダがマットに仰向けになっている天龍に最敬礼してリングを降りるシーンにしびれた。長州力が出てきたり、天龍がジャンボ鶴田の墓を見舞ったり、ジャイアント馬場の思い出話をしたり、最後には坂口征二まで登場して、楽しかった。
#237 2017.2.7 未来を花束にして 2015 TOHOシネマズシャンテ   イギリスで女性が参政権(30歳以上)を獲得したのは1918年である。世界史の教科書的には「第4回選挙法改正」のわずか1行で済まされてしまう。しかし、そこに至るには市井の女性たちの戦闘的な運動があったことをはじめて知る。おしゃれなタイトルからはまったく想像していなかった。ショーウィンドウに投石し、電話線を切断し、郵便ポストを爆破し、ロイド=ジョージ首相の別荘に放火する。国王が謁見するダービーで、競走馬に体当たりした女性活動家の死をもって、ようやく実現へと世論は動き出す。命を賭さなければ世の中は変わらないのか。主人公の女性は少女の頃からクリーニング工場で働かされていた。その労働環境を議会でロイド=ジョージに訴えるシーンも心に響いた。その後、彼女は活動にのめり込むあまり、家庭を失ってしまう。大切ななにかを犠牲にしなければ大義はなしえないという、峻厳な事実を突きつけられた。
#236 2017.2.5 アラビアの女王 米モロッコ 2015 新宿シネマカリテ   妻に誘われて観にいく。20世紀のはじめにアラビアを踏査した女性考古学研究者ガートルード・ベルの勇気ある探検ぶりを、果てることのない砂漠を背景に描く。彼女の助言によって、第一次大戦後のイラクの国境線は引かれたのだという。2度の恋はいずれも相手方が死去するという悲劇的な結末に終わる。それを彼女は探検と研究にのめりこむエネルギーに変える一方、生涯独身だった。いわば女性版「アラビアのロレンス」。勉強になったが、映画としては感情を大きく揺さぶられるシーンはなかった。伝記映画だからやむを得ないところか。
#235 2017.1.27 太陽の下で-真実の北朝鮮- チェコ、ロシア、ドイツ、ラトビア、北朝鮮 2015 シネマート新宿   どの社会でも本音と建て前がある。しかし、この国ほど本音と建て前がかけ離れた社会はないのではないか。国民だれもが「王様は裸」であることを知っている。しかし、それは行動や発言には決して出せない。隠し撮りで映された国民の素顔にその矛盾がよく表れている。軍人のつまらない話に思わずあくびをする8歳の主人公ジンミの表情こそ国民の本音なのだ。ラスト近くで、カメラに追われることに疲れたジンミが泣き出す。スタッフはなんとかとりなそうと、好きな詩を尋ねる。するとジンミは3人の「元帥様」を讃える、とおりいっぺんの「お経」を唱え出す。少女をここまで洗脳する教育の「徹底ぶり」に茫然自失となった。隣のおやじ客のいびきがうるさくて、集中できなかったのがなんとも悔やまれる。
#234 2017.1.25 ニュー・シネマ・パラダイス 伊仏 1989 ニュー八王子シネマ   結婚前に妻とみた思い出の映画。1月末で閉館するニュー八王子シネマに観にいく。映画でも、映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」は閉館し解体されてしまうからうってつけの作品だ。ただ、カット版であることを途中で気づく。大事な伏線が一つ回収されないで終わってしまう。上映時間からわかったはずなのにと反省する。でも、ニュー八王子シネマにお別れを言いに来たのだから、よしとしよう。
#233 2017.1.24 アルジェの戦い 伊アルジェリア 1966 下高井戸シネマ   アルジェリアの独立闘争を描いた名画の評価の高い作品。確かにこれだけのスケールを、記録映像を一切使わず撮りきった監督の手腕はすごいと思う。ただ、テロや銃撃で人が死んでいくシーンの連続に殺伐とした気持ちにさせられた。テロはテロしか生まないんだ。
#232 2017.1.20 初恋のきた道 中国 1999 TOHOシネマズ府中   90年代から50年代への倒叙形式の映画だが、現在がモノクロで過去がカラーという逆転の色使い。見終わってしばらくして、美しいヒロインの赤い服を際立たせるための演出だったのだと気づく。町から遠く離れた寒村の小学校に、雄大な大自然のなかに切られた一本の道を通って、若い先生が赴任してくる。ヒロインは一目惚れして恋を成就させようとし、道を介して二人は急接近する。しかし、政治の影響がこの村にも及び、先生は「右派」として町に連れ戻されてしまう。先生が帰ってくると約束した冬の日、吹雪の中、ヒロインはひたすら道で待ち続ける。結局、先生は現れずヒロインは高熱に冒される。清潔な純愛物語が、季節感がひしひしと伝わってくる美しい映像に溶け込んで展開されていく。当時は、割れた瀬戸物を修理する職人がいて、ヒロインが割ってしまった瀬戸物を母親が職人に直させる。これが二人の恋の行方を暗示する。50年代の教室には毛沢東の写真が掲げられていたが、90年代には五星紅旗に変わっていた。教室内にエンゲルスの写真とことばが貼ってあったり、老いたヒロインの自宅にタイタンズのポスターが貼ってあったり、とディテールも興味深かった。
#231 2017.1.13 幸せなひとりぼっち スウェーデン 2016 新宿シネマカリテ   いい映画だった! 最愛の妻に先立たれた頑固おやじ。その偏屈ぶりのため近所からは疎まれるが、本人は一向に意に介さない。早く妻の元に行きたいと何度も自殺を試みるが、そのたびに邪魔が入る。そして、知らず知らずに「ひとりぼっち」にはさせてもらえなくなる。その過程で、生い立ちから妻との出会い、出産を控えた妻とのスペイン旅行でバスが転落して九死に一生を得たこと、そのせいで妻はおなかの子どもを失ったばかりか、車いす生活を余儀なくされたこと、それでも妻は逞しく逆境をはねのけ、生徒に慕われる教師になったこと、などなどが回想されていく。笑いと涙で顔がくしゃくしゃになった。そして、主人公の葬儀には大勢が参列する。葬儀から帰った、主人公の隣家の娘が主人公のまねをするラストが、すてきな余韻を残す。
#230 2017.1.7 SUPER FOLK SONG ピアノが愛した女 2017
(1992の
デジタル・
リマスター版)
新宿バルト9   天才ピアニスト矢野顕子のレコーディング・シーンを克明に描いたドキュメンタリー。「〔できのいいところのテープを〕つなげば」とのスタッフの助言に決して首をタテに振らない。1曲を通して納得いくまで歌い、弾き終えるまで絶対に妥協しない。昼食に誘われても、「いま声が出てるから、食事が入ることで変わるのが恐い」といって受け付けない。そして、完璧な演奏と熱唱をやり遂げたあとの、達成感に満ちた表情に神々しさを感じた。一方で、昼食が届くのが遅れて「楽譜がうどんにみえてきた」とピアノを離れ、出前がようやく届く。ところが、器が冷たいのにむっとした表情がかわいい。モノクロで撮られている。むしろそれが矢野の音楽に対するストイックさを象徴しているようで、よかった。
#229 2017.1.5 ねぼけ 2015 新宿K’sシネマ   落語家は売れてなんぼの職業である。年功序列など関係ない。主人公の仙栄亭三語郎は鳴かず飛ばずの毎日だが、鬱病を落語に救われた真海(まなみ)に支えられ、甘えて酒浸りの自堕落な生活から抜け出せない。清楚な真海と好対照をなしている。三語郎の言動に真海がキレて、故郷に帰る。真海の存在の大きさにやっと気づいた三語郎は真海を迎えに行く。三語郎が正面から落語に取り組む気になり、真海との生活も順調に進みはじめた矢先、真海は急逝してしまう。真海の亡骸を前に、三語郎は渾身の「替り目」を演じる。ここは泣ける。師匠の点雲が三語郎を「二言目には『でも』、『でも』。お前は言い訳で逃げてばかりだ。なんで正面を切れないんだ」と一喝するシーンがある。今年は「でも」を禁句にしたいと念じた。
#228 2017.1.2 この世界の片隅に 2016 高田世界館   なんてすばらしいアニメ映像なんだ。主人公のすずに声優初挑戦ののんの声がぴったり合っていた。米軍による呉の空襲で、すずが連れて歩いていためいを失い、みずからも右手を落とす重傷を負う。すずは子どものころから絵がとても上手で、その絵で周囲をなごませてきた。それが永遠に描けなくなってしまう。回復して、左手一本で嫁ぎ先の廊下をかいがいしくほうきで掃き掃除するすずに涙があふれた。ただ、広島の実家へは8月6日に帰る予定が延びて、命拾いする。自分の力ではどうすることもできない不条理を、笑顔を絶やさず耐え抜くすずのたくましさに胸が一杯になった。
#227 2016.12.28 アズミ・ハルコは行方不明 2016 新宿武蔵野館   蒼井優はやっぱり山田洋次作品で観たい。とと姉ちゃんの高畑充希が対照的な役柄を演じていて、おもしろかった。ただ、作品自体は二つの時間軸の話が交互に進行するで、頭を切り換えるのに疲れた。警察官が交番の前でものを食べながらスマホをいじるなど、絶対にありえない。このシーンを観たところですでに頭に「?」が浮かんだ。ラスト近くでギャング女子高生が拳銃を構える警察官の一団を、手で拳銃をまねて「バーン」と叫んで蹴散らしていくシーンには、しらけきった。エンドロールで流れる主題歌がいい歌だったのに救われたが。
#226 2016.12.18 マダム・フローレンス! 夢見るふたり 2016 新宿バルト9   映画は映画館の大きなスクリーンでみないと映画に失礼だと実感した。日曜日早朝の劇場はすいていて、貸し切り気分でくつろげる。主演のフローレンス役のメリル・ストリープの熱演はもちろんだが、内縁の「夫」シンクレア役のヒュー・グラントがむちゃくちゃカッコイイ。こんなオヤジになりたいものだ。時代は1944年。音痴の女優フローレンスがカーネギーホールで歌うと言い出す。シンクレアの必死の「配慮」で本人はその欠点に気づいていない。戦場から帰国した兵士などでホールは埋まり、そのひどい歌声を野次る。しかし、ある女性観客の一喝でスタンディング・オベーションに一転する。このシーンは泣ける。それにしても、戦争中でもこんなに豊かな国とよく戦争したものだと、その合理的思考の欠如に愕然とさせられた。
#225 2016.11.25 サイコ 1960 DVD観賞 自宅にて ヒッチコックによるスリラー映画の傑作。試写の段階ではヒッチ自身が駄作だと認めたが、妻のアルマとの必死の編集作業の結果、見事な仕上がりとなる。出来心から会社の大金を銀行に預けずに持ち逃げしたOL(ジャネット・リー)が、逃亡途中に宿泊したモーテルのバスルームでシャワー中に刺殺される。犯人はモーテルの経営者なのだが、そのなぞ解きのラストシーンには息を吞む。ジャネット・リーの恐怖の表情といい、経営者のミイラ化した母親が振り返るシーンといい、やはり映画館の大きなスクリーンで迫力を堪能したかった。それにしても、映画に出てくる当時のアメ車のボディスタイルがいかにもガソリンがぶ飲みといった体で、あんぐりした。
#224 2016.11.18 生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言 1985 DVD観賞 自宅にて コザ暴動(1970年)の結果、日本に密入国したバーバラ(倍賞美津子)と宮里(原田芳雄)。戸籍も住民票もないため、堅気の職には就けない。バーバラはヌードダンサーとして、宮里は原発ジプシーとして全国を転々とする。福井の原発銀座で二人は事件に巻き込まれる。そこはヤクザと警察が癒着して、原発労働者とその相手をする娼婦を食い物にしていた。ふとしたきっかけから、バーバラにつきまとうことになった元教師(平田満)が,お試しに原発労働者となって現場に入っていく。作業服に着替えるシーンが怖い。ケガをしても原発内には医者は入れないため診てもらえない。事故死すればドラム缶にコンクリート詰めされ、ヘリでどこかに運ばれるとの噂が語られる。原発はウソに満ちているのだ。筋がやや複雑で展開がわかりにくいのが玉に瑕だが、社会矛盾を見事にえぐり出した作品であることは間違いない。
#223 2016.11.6 続・深夜食堂 2016 新宿バルト9   口直しの映画を観ないと気が済まなくなって、日曜日の朝になって急に観にいくことにする。おもしろかった! 映画はこうでなくちゃあ。伏線がたくさんはられていて、それが交わったり離れたりする。庶民的な和食の数々が、なんとおいしそうに美しく撮られていることか。第2話ではキムラ緑子がさすがの演技をみせる。腹を抱えて笑った。夏から冬へ季節感も彩り豊かに描かれる。店主役の小林薫が客の注文をきいて、「あいよ」と返事するのがかっこいい! すっかり口直しができた。
#222 2016.11.1 フラワーショー! アイルランド 2014 下高井戸シネマ   つまらなかった。実話の映画化だからやむを得ないのかもしれない。それにしても、予想どおりの順当な話の展開で「ああやっぱりね」と何度も心の中で呟く羽目に。意外性に乏しいというか、映画ならではのどんでん返しの凄みがないというか。ガーデニングの世界的大会であるチェルシー・フラワーショーに、アイルランドの若い女性が挑戦する。彼女が目指す庭作りに不可欠のイケメン植物学者をエチオピアまで追いかけ恋を成就させ、フラワーショーでも優勝する。ガーデニングに興味があれば、その観点から楽しめたかもしれないが。
#221 2016.9.19 コロニア 独ルクセンブルク仏 2015 角川シネマ新宿   最終盤まさに手に汗握るシーンの連続。主演のレナ役のエマ・ワトソンにみとれてしまった。レナの恋人でチリ滞在中のドイツ人がピノチェト政権に捕らえられ、ナチの残党がつくった広大な施設「コロニア・ディグニダ」で拷問され、そこに収容される。恋人を救い出すために、レナは無謀にもその施設の住人になる。ようやく恋人と再会できたものの、絶望的な監視体制が敷かれている。あるとき恋人が秘密地下道の存在に気づき、サリンの実験台にされる前日に必死の脱出行を敢行する。奇跡的に成功した二人はチリの西ドイツ大使館にコロニアの写真を持ちこむ。しかし、大使館のローカルスタッフにはピノチェト政権に通じた職員がいた。二人が乗り込んだフランクフルト行きの航空機の離陸を、管制官は許可しない・・・。コロニアの「教皇」シェーファーの神の名を騙った硬軟巧みな統治ぶりは、まさに逆ユートピアそのものだ。
#220 2016.9.15 団地 2015 下高井戸シネマ   長女と観にいく。藤山直美と岸部一徳のさすがの演技を堪能した。最愛の息子を事故で失った初老の夫婦が、家業の老舗の漢方薬店を閉め、大阪の空き室だらけの団地に引っ越してくる。夫は裏山での薬草採集に、妻はスーパーでのレジのパートで整理のつかない気持ちを紛らわそうとする。団地住民の陰口に嫌気がさした夫は自宅に引きこもる。妻に殺されたのではないかと団地住民のうわさはふくらんでいく。コメディなのだが、どこかもの悲しい。終わらない平凡な日常を生きる人々の哀感がスクリーンに漂う。藤山直美が家事をこなすいくつものシーンがそれを象徴する。最後にSF的な大どんでん返しがあって、数秒のハッピーエンドがこの物語のすべてを回収する。
#219 2016.8.31 神様の思し召し 2016 新宿シネマカリテ   楽しい映画だった。高慢な腕利き外科医の息子が、神父になりたいと言い出す。腹黒い神父に洗脳されたに違いないと父親は確信して、それを阻止するために奔走。その神父に接近して一芝居を打つ。ところが、それがばれてしまい、埋め合わせに神父の教会再建工事を手伝う羽目になる。神父は前科者でエリート外科医とは正反対の人生を歩んできた。二人の心の交流はやがて外科医の心構えを変えさせていく。まさに「神様の思し召し」だ。最後は神父が車にはねられ、重体となって外科医の勤務する病院に担ぎ込まれる。手術の執刀は同僚に任せて、外科医は工事の仕上げに向かう。神父が助かったのかは示唆されるのみというニクイ終わり方。外科医の家に住み込みのペルー人のお手伝いさんがつけているエプロンに、ソ連国旗があしらわれていて笑えた
#218 2016.8.26 ケンとカズ 2016 ユーロスペース   ケンとカズは半グレとして、覚醒剤を密売して生きている。カズの事情からまとまった金が必要となり、系列のやくざを裏切ってもっと割のいい販売ルートにこっそり乗り換える。が、まもなく露見して「筋を通す」羽目に。やくざがプリンを食べながら笑顔でケンにそれを迫るコントラストが秀逸。迫力満点のバイオレンスシーンが始終出てくるが、それらよりよっぽど怖かった。すぐに手が出るカズは、実は母親から児童虐待にあっていたとの設定にもうなった。母親がカズを殴り、挙げ句の果てに顔を風呂の水に押しつける…。終映後に小路紘史監督とケン役のカトウシンスケさんの舞台あいさつがあってラッキー。せっかくなので監督に質問したら、監督の知人の知人の・・・に覚醒剤の密売人がいて、情報を仕入れたとのこと。
#217 2016.8.23 ニュースの真相 豪米 2015 TOHOシネマズシャンテ   再選を目指すブッシュ・ジュニアがベトナム戦争当時兵役逃れをしていたという軍歴詐称問題をCBSのニュース番組がすっぱ抜く。まるで小保方問題のように、直後からその証拠文書が偽造ではないかとの指摘がウェブ上をかけめぐる。たとえば、当時のタイプライターでは数字の肩にthをつける「肩文字」は打てなかったというのだ。主人公のやり手の女性プロデューサーは裏取りに奔走するが、確証が得られない。軍歴詐称問題が文書の真贋問題へと事の本質がすり替えられていく。これはまるで「情を通じて」の西山問題のようだ。彼女はウェブ上での誹謗中傷にさらされ、カメラクルーに追いかけ回され、非米活動委員会さながらの調査委員会に引っ張り出される。ついには解雇されてしまう。原題のTruthが胸に突きささった。その番組のアンカーマン役はロバート・レッドフォード。かっこよすぎる! 「質問しなくなったらこの国は終わりだ」と。どこぞの国のメディアはどうなのだ?
#216 2016.8.21 栄光のランナー/1936ベルリン 米独カナダ 2016 TOHOシネマズシャンテ   ベルリン五輪で陸上4冠(100m、200m,走り幅跳び、400mリレー)に輝いたジェシー・オーエンスのサクセス・ストーリー。ナチス政権下での五輪にアメリカが参加するか。それを決める委員会の票決は2票差だった。それでも参加を見送るように黒人政治家から求められるジェシーは深い葛藤の末、出場を決意する。走り幅跳びでジェシーに次いで2位になったドイツ選手ロングの部屋をジェシーが訪ねると、ロングはナチの真相を切々と暴露する。一方、ゲッベルス宣伝相と五輪を撮影していた映画監督リーフェンシュタールの確執も興味深い。そのゲッベルスに強請られて、アメリカは400mリレーに出場予定のユダヤ人選手をジェシーに代えた。帰国後、祝賀会場のホテルにジェシー夫妻が入ろうとすると、黒人は通用門からだと止められる。ヒーローでもこの扱いだったのだ。原題はRACE。もちろん、ダブルミーニング。もう少しひねりの効いた邦題を付けられなかったものか。
#215 2016.8.17 Amyエイミー 英米 2015 角川シネマ有楽町   天才ジャズシンガーのエイミー・ワインハウスのわずか27年の生涯を記録映像で生々しく描く。天は二物を与えずというが、そのたぐいまれな才能の一方、私生活は破天荒を極めた。ドラッグにアルコールでは体がもたない。セレブとなったエイミーをパパラッチが追いかけ回る。こんなにひどいものなのか。最後はベオグラードの屋外コンサートに泥酔状態で現われ、ろくに歌えないエイミーに、同情と怒りが交錯した。凡庸にまさる幸せはない、少欲知足が大事なんだと、映画でまた一つ人生を学んだ。
#214 2016.8.15 奇跡の教室 2014 角川シネマ新宿   妻と長女が観にいくというのでついていく。レオン・ブルム(人民戦線内閣の首相だ!)高校の落ちこぼれクラスをおばさん先生が粘り強く指導して、全国歴史コンクール優勝へと導く。与えられたテーマはホロコーストだった。生徒たちは生存者へのインタビューを機に徐々に目の色が変わっていく。フランスでは学業不振の生徒の成績会議に、クラス代表として生徒も出席するのにはびっくりした。お祝いにエッフェル塔をバックに先生と生徒たちが、ケンタッキーフライドチキンをほおばっているシーンは笑えた。
#213 2016.8.13 シン・ゴジラ 日本 2016 TOHOシネマズ府中   2年前にみた「GODZILLA ゴジラ」より断然おもしろかった。主人公が政務の官房副長官という設定がマニアックにしびれる。想定外の事態の続発に現行法でどう対処するか。それをめぐる政権内の対立と苦悩が興味深く描かれる。どうせなら、法解釈をめぐって内閣法制局長官も登場させてほしかった。石原さとみ扮する日系3世の米国特使が「うちの国では大統領が決めるの。この国は?」ときかれて、閣議書が映し出されるシーンがある。だから憲法に緊急事態条項が必要なのだという議論に短絡されなければいいが。ゴジラは都心を壊しまくったが、やはりあの場所だけは足を向けなかったし、そこの住民の避難について政権が検討するシーンもなかった。
#212 2016.8.7 あなた、その川を渡らないで 韓国 2014 シネスイッチ銀座   妻に誘われて観にいく。98歳と89歳の老夫婦の日常を描く。#204「ふたりの桃源郷」の韓国版を観ているよう。韓国のドキュメンタリー映画で観客動員1位だという。これほど高齢になっても外出には仲よく手をつなぎ、雪が降ると子どものように雪合戦に興じる二人。かくあらねばと、老後への心の準備をさせられるようだった。おばあさんの誕生日に6人の子どもたちが集まり、賑やかな誕生日祝いがはじまる。ところが、途中できょうだいたちがけんかをはじめてしまう。寅さん映画を観ているようでおかしかった。キムチがうまそうなこと!
#211 2016.8.5 伽椰子のために 1984 DVD観賞 自宅にて 李恢成の同名の小説の映画化。ずっと観たかったのだがDVD化されてこなかった。ようやく今年になって『小栗康平コレクション』の第2巻に収録されたのを知って、入手した。1950年代末が舞台。原作小説にあるように、北朝鮮帰国運動についての描写に期待したが、そのシーンはほとんどない。在日朝鮮人サンジュニと伽椰子との陰影に富んだ重い恋愛映画だった。それでも、サンジュニの部屋には朝鮮半島の地図が貼ってあり、それが象徴するかように、登場する在日朝鮮人の台詞の端々に、境遇への苦悩と諦念がにじみ出ていた。島民6万人が虐殺された済州島四・三事件の生き残りの証言もある。本作でデビューした南果歩扮する伽椰子が、北海道なまりで語尾に「だから」をつけて話すのがすごくかわいい。
#210 2016.8.3 日本で一番悪い奴ら 2016 丸の内TOEI   北海道警刑事が功に焦って、自ら犯罪に手を染めて墜ちていく実話の映画化。主演の綾野剛が初々しい新人刑事時代から覚醒剤中毒となりはてるまでを体当たりで熱演している。国松孝次銃撃事件をきっかけに、全国の警察は拳銃(チャカ)狩りに血眼になる。普通の捜査に頼っていてはチャカなど出てくるはずがない。主人公はやくざと「兄弟」となり覚醒剤を売りさばいた金を原資に、チャカをやくざから買い付けて「数」を出して、道警のエースに成り上がる。ただ、その代償はあまりに大きかった。ミイラ取りがミイラになる。覚醒剤を静脈注射するとき血を逆流させるので注射器内のシリンジが血で染まる。それがきちんと描かれていた。また、中毒になるとのどが乾くので始終水を飲む。そのシーンも頻繁に出てくる。登場人物それぞれが抱えるどす黒い欲望が、人間のあさましさを教えてくれる。
#209 2016.7.26 トランボ 2015 TOHOシネマズシャンテ   満席の劇場というのは久しぶりだった。赤狩り時代のアメリカで、ハリウッドの最高給脚本家のトランボは下院非米活動委員会の聴聞会で証言を拒否して、実刑に服する。連邦最高裁のリベラル派判事が2人立て続けに死去したのが痛かった。出獄後もブラックリストに名前が載せられ、実名での仕事から干される。ペンネームで脚本を書きまくって家族を養っていく。入浴しながらタイプライターをたたき、アンフェタミン(覚せい剤)をウイスキーで流しこんで疲れを飛ばす無茶な仕事ぶりに家族も次第に離れていく。しかし、その実力は抜群で、やがてトランボをクレジットする勇気ある映画人が現れる。トランボが原案を書いた「ローマの休日」は、トランボ案では「王女と無骨者」というタイトルだったことを知る。ブラックリストに載るトランボに代わって、原案者としてクレジットされるイアン・マクレラン・ハンターの進言で、「ローマの休日」に改められた。これに限ってはハンターのセンスのほうがはるかによかった。闘う映画人の生涯を描いたこの映画が終わってすぐに、うしろの観客が「いい映画だった」と漏らしたのにうれしくなった。
#208 2016.7.24 帰ってきたヒトラー 2015 TOHOシネマズ新宿   ヒトラーが2014年のドイツにタイムスリップして、国中を旅して国民と対話する半ドキュメンタリー映画。各地で国民はおもしろがって「ヒトラー」と意見交換するが、その本音がにじむ内容に背筋が寒くなった。本当にヒトラーとその時代がみているような錯覚を覚えた。世界同時右傾化の現代を思い知らされることになる。笑ったのは、「ヒトラー」にアポなしに突撃取材された極右政党幹部が、議論で「ヒトラー」にやりこめられてしまうシーン。また、自分を選んだのは国民だと開き直る「ヒトラー」に、どこぞの国の権力者を思い浮かべてしまった。タイムスリップ映画はどうやって主人公を元の時代に戻すのが肝なのだが、フィクションと現実をうまくないまぜにして、戻さなかった。ただ、「カット!」でどんでん返しするラストは「蒲田行進曲」のパクリじゃないの。
#207 2016.7.18 あん 日独仏 2015 DVD観賞 国家論授業 前回映画館でみたときは、国立ハンセン病療養所に見学にいく前だった。見学したあとにみると、主人公の元ハンセン病患者の徳江を演じる樹木希林が台詞で述べる一言一言に、実に重い含意があることがわかる。「どら春」常連の女子中学生たちが学校の不満を徳江に言う。徳江は「自由なんだから」などと非現実的とも思えるアドバイスをするのだが、自由とは療養所に生涯閉じ込められたハンセン病にとって、至高の価値のあるものだったのだ。子どものころ収容され、療養所内で結婚し子宝を授かるが、堕胎を強制される。だが、70代半ばとなって「どら春」であんをつくり接客する徳江はいつも笑顔だ。これこそ「悟り」なのだろう。「どら春」店長の永瀬正敏もさすがの演技で共感をそそる。療養所内で徳江がつくったぜんざいを、涙をこらえて食べる永瀬の表情が秀逸だ。
#206 2016.7.16 シアター・プノンペン カンボジア 2014 岩波ホール   カンボジア版のニュー・シネマ・パラダイスだ。ポルポト政権以前の映画館が駐輪場になっている。映画を忘れられない館主がポト時代の処分を免れたフィルムをかけるが、肝心の最後のリールがみつからない。興味をもった主人公の女子学生が映写技術の手ほどきを受ける。映写機にフィルムを誤って装着すると発火すると注意される。ようやくみつかった最後のリールを彼女がセットしてかけるが、ラストシーンでフィルムがめらめらと燃えてしまう。「ニュー・シネマ・パラダイス」では映画館が全焼するが、この映画では無事に消し止められる。そして最後のリールを撮り直すが、その過程で登場人物がポト時代に犯した悪行が暴かれていく。そうしなければ生き残れなかったのだ。ポト時代には肥料になるからと、死体が水田に浮いていた。エンドロールでは、ポト時代に粛清された映画人や俳優たちの写真と氏名が「追悼」として映し出される。悪魔の政権という形容すら凡庸すぎると痛感した。
#205 2016.6.12 マイケル・ムーアの世界侵略のススメ 2015 角川シネマ新宿   長女がおもしろそうというのでいっしょに観にいく。アメリカがいかに「後進国」であるかをムーアお得意のブラックジョークたっぷりに描いてみせ、笑わせてくれる。フランスの小学校のレストランのフルコースを思わせる給食に対して、ファストフードそのままのアメリカの給食。ふんだんに有給休暇がとれるイタリア人夫妻がムーアに、アメリカでは有給休暇はゼロだと聞かされたときの唖然とした表情。解放感にあふれ看守による虐待などありえないノルウェーの刑務所。お金をもらってもアメリカには住まないと断言するアイスランドの女性政治家。それにしても、ドラッグを合法化してドラッグ中毒者を激減させたポルトガルにはびっくりした。ここでは覚醒剤も合法なのだ。
#204 2016.5.22 ふたりの桃源郷 2016 ポレポレ東中野   妻に誘われて観にいく。劇場はほぼ満席。すると、「映画館鑑賞素人」もいて、上映中に平気で私語をする。家でテレビをみているんじゃないんだから、静かにしろ! 名作が台無しだと腹が立つことしきり。60歳を過ぎて、山口県の山里での自給自足の暮らしを再開した夫妻の4半世紀を記録したドキュメンタリー。二人が90歳代の天寿を全うするまでをピアノやギターの調べに合わせて美しく映していく。隣席の妻は泣き通しだった。私たちも50代半ば。老いる現実をつきつけられる。体調を崩して老人ホームに入った夫が「1日中テレビばかりみていれば、ぼける」といって、山里通いを再開したのが含蓄深かった。とげとげしいこともあるが、能動的に生きられるいまが貴重なのだと思い直す。
#203 2016.5.4 風の波紋 2016 高田世界館   帰省の折りに長女と観にいく。日本最古級の105年の歴史を誇る高田世界館。正月のここでの餅つきに参加して、今度帰省したら映画を観ようと思っていたのが実現する。#202の宇宙開発とは対照的な映画だった。新潟県十日町市の雪深い山里で、自然とたくましく共生する人びとを活写したドキュメンタリー。協力し合って、藁葺き屋根を葺いたり、2011年の長野県北部地震で傾いた家を修理したり。完工記念にその家にみんなを招いての宴会が大いに盛り上がる。一方、飼っていた山羊をあやめて、その肉や内臓を鍋にしてみんなで食べるシーンもある。「いいやつでさ、〔あやめられることも勘づかずに〕寄ってくるんだよ」と「故人」を偲びながら。人が生きるということはこういうことなんだと厳粛な気持ちになる。
#202 2016.5.2-5.3 ガガーリン 世界を変えた108分 ロシア 2013 DVD鑑賞 自宅で 「地球は青かった」との名台詞を吐いたとされるガガーリン。しかし、実際はそんなロマンチックな宇宙飛行ではなかった。当時のソ連の科学の粋を集めた壮大な宇宙実験。3000人の候補者の中から選ばれたガガーリンは、無重力状態が人体にどのような影響を及ぼすか不明のまま、妻と娘二人を残して地球を飛び立つ。宇宙船は地球周回軌道に無事に入るが、そこから離脱しなければ地球に戻れない。逆推進に失敗すれば永遠に軌道を回り続けるところだった。帰還後にガガーリンは大佐に昇進する。その後重圧の中、自分を見失っていくと最後に字幕に流れる。その様子も観てみたかった。
#201 2016.4.30 スポットライト 世紀のスクープ 2015 TOHOシネマズ新宿   長女と観にいく。満席だった。展開が早くてだれがだれか付いていけずにちょっといらいらしたが、サブタイトル「世紀のスクープ」に偽りはない。幼児に対する神父の性的虐待を隠し続ける教会、それに加担して甘い汁を吸っている弁護士と、この構造を暴こうとする地元紙『ボストン・グローブ』の記者たちの渡り合いを、アクセントをきかせて見せていく。日本では想像できないほどに、教会が地域に深く根を下ろしていることを知る。虐待を働いた神父は教区を通常より短い期間で異動させられる。各神父の異動期間を調べていけば「容疑者」が浮かび上がってくる。記者たちが新聞社の地下倉庫で神父たちの人事記録を調べているシーンに「おれにもやらせてくれ!」と血が騒いだ。
#200 2016.4.22 ウォーターボーイズ 2001 DVD鑑賞 自宅で 妻が職場から借りてきて、夕食時に観る。おもしろかった! 男子高水泳部が女子高のプールで文化祭の演し物としてシンクロナイズド・スイミングを披露するまでの青春群像を、さわやかに描く。そういえば日本には男子の新体操というのもある。女性シンガーが「ぼくは」と歌ったのが、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」だ。既成概念を打ち破るとき、イノベーションが起こる!
#199 2016.3.3 妻への家路 中国 2014 DVD観賞 ゼミ有志と 映画館の迫力ある大画面で観たかった。みごとな映像美とカメラワーク。文革で右派分子として収容所に送られた夫が、文革後名誉回復されて20年ぶりに妻の元に帰ってくる。しかし、妻は心因性の記憶喪失に侵され、夫を認識できない。夫はあらゆる手段を用いて、妻の記憶を取り戻そうとするがすべて徒労に終わる。一方、夫妻の子ども丹々は文革期の洗脳で、3歳で別れた父の写真をすべて切り抜き、捨てていた。「5日に帰る」との夫の手紙を頼りに、毎月5日に夫の名前を書いたプラカードをもって駅に迎えにいく妻。ラストは雪の中、妻の横に夫が自分の名前が書かれたプラカードをもって、二人で来るはずもない「夫」を駅で待つシーンだ。政治の罪深さを深く印象づけられた。
#198 2016.2.6 ヤクザと憲法 2016 ポレポレ東中野   長女と観にいく。おもしろかった! ヤクザの日常生活を描いた東海テレビの勇気あるドキュメンタリー。だれも好きでヤクザになるわけではない。居場所を失って最後に行き着くのだ。暴対法施行以降、「反社会的勢力」は銀行口座をつくれない、保険に入れない、子どもは幼稚園の入園を拒否されるなどなどの人権侵害を受けている。「だったらヤクザをやめれば」との問いかけに、懲役22年(!)を勤め上げたヤクザの親分が「じゃあだれが受け入れてくれるのか」と答えるラストが重い。ヤクザの事務所に、「テレビの前のソファに寝ころぶな」との貼り紙があったのに笑ってしまった。
#197 2016.1.29 サウルの息子 ハンガリー 2015 新宿シネマカリテ   絶滅収容所でユダヤ人は「部品」とよばれていた。移送されてきた「部品」を「スープがさめるぞ」などと「消毒室」なるガス室へ急がせ、死体を焼却炉に運んで燃やし、遺灰を川に捨てる。一連の作業を「ゾンダーコマンド」とよばれるユダヤ人にさせていた。彼らが「schneller(もっと早く)!」とせかされ、遺体を引きずって運ぶシーンには心が凍る。そして、彼らもやがて殺される。政治が道を誤ればこんなことまで平然とさせてしまうのだ。「ゾンダーコマンド」が主人公のこの映画で、主人公サウルは決して笑わない。ラストシーンで「息子」をみてようやくゆっくりと笑う。「部品」から人間に戻る一瞬。だが、数分後に射殺されてしまう。
#196 2016.1.19 広河隆一 人間の戦場 2015 新宿K’s cinema   フォトジャーナリスト・広河隆一の半生を描く。なんてすごい人なんだ。1982年のレバノン内戦では虐殺が行われていた難民キャンプに命がけで潜入し、その凄惨な映像を世界に配信した。チェルノブイリ原発事故でも現地入りし、被災した子どもたちを支援した。さらに福島原発事故では福島の子どもたちのために自ら借金をして、沖縄・久米島に保養施設「球美の里」を設立した。ここに保養に来る子どもたちの交通費・滞在費は無料である。報いを求めず行動する崇高さに敬服するばかり。一方で、実の娘も登場し「父が家にいるのは年に数回だった」と証言する。背伸びせず、できることを誠実にやっていこうと思った。
#195 2016.1.16 ザ・トゥルー・コスト 2015 渋谷アップリンク   長女と観にいく。ファストファッションとよばれる格安の衣料品が、いかに劣悪な労働環境の搾取工場でつくられているかを描いたドキュメンタリー。アメリカで売られているファストファッションのほとんどはバングラデシュ製だという。労働者の多くは女性だ。「ファストファッションは私たちの血でつくられている」との叫びが胸に突きささった。われわれは彼女たちの尊い血を身につけているのだ。帰り道の道玄坂にH&Mがあった。ウィンドウ越しにのぞくと、1着300円の服が売られていた。いったいいくらで働かせれば、こんな安い値付けができるのだ。怒りがこみあげてきた。
#194 2016.1.13 バレエボーイズ ノルウェー 2015 下高井戸シネマ   プロのバレエダンサーをひたむきに目指す男子中学生3人を追いかけたドキュメンタリー。発表会で最後に振り付けを忘れてしまい袖に下がったシーヴェルトは、進学かバレエかで悩みバレエ教室をやめてしまう。しかし、自分にはバレエしかないと思い直して、教室に復帰する。温かく迎える仲間たち。ルーカスはイギリスのエリートバレエ学校に合格する。親友二人のどちらに先に電話するか。ルーカスはきちんと理由を考えているところがいじらしい。映像の端々にノルウェーの豊かさがにじみ出ていた。
#193 2016.1.5 母と暮せば 2015 TOHOシネマズ府中   薄幸な未亡人を演じる吉永小百合のはまり役。夫は結核で亡くし、長男は戦死、そして次男は長崎原爆の犠牲になる。その次男・二宮和也が幽界の垣根を越えて母の前にしばしば現れる。復員局の役人・小林稔侍の左腕はなく、次男の恋人だった黒木華の婚約者の浅野忠信には片足がない。上映中、涙が乾くことはなかった。黒木華の清潔感あふれる好演にキネマ旬報助演女優賞は当然だ。あと、次男の部屋に貼られていたチャップリンのポスターは何の映画なのか、気になって仕方がなかった。
#192 2015.12.29 街の灯 1931 DVD鑑賞 自宅で 「チャップリンは風化しないんだ」と長女に「自慢」しながら観る。全米で封切られた1931年は満州事変の年。チャップリンは風化しないが、あの歴史的事実も風化させてはなるまい。
#191 2015.12.27 杉原千畝
スギハラチウネ
2015 TOHOシネマズ府中   長女と観にいく。もはやすっかり有名になった、リトアニア領事代理を務めた「日本のシンドラー」杉原千畝の半生を感動的に描く。ヴィザ発給以外の外交官・杉原の側面も興味深かった。杉原が卒業したハルピン学院の教えの一つが「報いを求めず」。「報い」という下心をもって行動してこなかったかと自分が恥ずかしくなる。多くのユダヤ人の命を救った杉原は、戦後彼らが建国したイスラエルをどう評価していたのか。
#190 2015.12.24 ア・フィルム・アバウト・コーヒー 2014 新宿シネマカリテ   スペシャルティ・コーヒーをめぐるドキュメンタリー。ブラジル以外ではコーヒー豆は手摘みで収穫されると知って驚く。些末なことにまでこだわるバリスタたち。職人はこうでなければとうなずく。研究者も同じだ。2013年に閉店した表参道の「喫茶大坊」の店主がコーヒーを淹れるシーンの静かなる迫力に見入る。研ぎ澄まされた一挙手一投足の動き。そして出されたコーヒーの美しさはまさにアートだ。
#189 2015.11.20 恋人たち 2015 テアトル新宿   みんな不条理で退屈な日常を生きている。それに自暴自棄になるなと全編を通してじんわり訴えかけてくる。主役の3人が全員無名の新人俳優というのを観たあとで知って、その演技力のすごさ、それを引き出した監督の手腕に感心する。主人公の一人アツシのやさしい同僚に左腕がない。ラスト近くでアツシがそのわけを訊くと、「おれ昔左翼で、皇居にロケットを飛ばそうとしたら、自分の腕を吹っ飛ばしてしまった」と笑いながら打ち明ける。もう一人の主人公・瞳子は「雅子さま」の大ファンで、そういう伏線だったのかと納得。アツシが東京の青空を指さして「よし!」という終わり方。映画館から外に出て真似してしまった!
#188 2015.11.7 こころざし
─舎密(せいみ) を愛した男─
2011 DVD観賞 自宅で 「日本薬学の父」と称される長井長義(1845-1929)の、徳島での幼少期から長崎留学、ドイツ留学を経て、せき止め薬のエフェドリンを発見する41歳(1885年)までの半生を描く。幼いときに母を病気で亡くしたことが長井の研究への情熱を支えていた。舎密とはオランダ語で化学を意味する“chemie”の当て字。その長井が覚せい剤であるメタンフェタミンを世界ではじめて合成するのは1893年である。徳島大学長井長義映像評伝実行委員会が企画製作した映画で、9月に徳島大学薬学部に伺った際にDVDをいただいた。
#187 2015.11.3 フル・モンティ 1997 DVD観賞 自宅で イギリス・シェフィールドが舞台。観るのは2回目。1度目は1998年10月26日。その年の3月末から在外研究のため同地で妻と0歳の長女と暮らしていた。妻の育児休暇が終わり職場復帰に伴う新生活立ち上げのため一時帰国した際だった。喜劇の背景に映し出されるシェフィールドの街並みがもつ独特の哀感に当時を追憶した。テーマは男性ストリップ。やはり人がやらないことをやらないとだめだな。
#186 2015.10.30-11.2 サウンド・オフ・ミュージック 1965 DVD観賞 自宅で 同映画製作から50年。高3の長女と観る。自分がテレビで観たのも高3のときだった。3時間近い長編で、テレビ上映されたときは相当カットされていたことをいまごろ気づく。オーストリアをこよなく愛するトラップ大佐が、オーストリアを併合したナチス・ドイツの鉤十字の国旗を引き裂くシーンがかっこいい。トラップ大佐とマリアが「告白」しあうシーンもわくわくする。
#185 2015.10.30-31 意志の勝利 1935 DVD鑑賞 自宅で ナチスのプロパガンダ映画。天孫降臨とばかりに、ヒトラーを乗せた飛行機が雲間から、党大会が行われるニュルンベルクの空港に着陸するシーンからはじまる。空港から宿泊先のホテルまで、沿道を埋め尽くした民衆の歓呼に、ヒトラーはオープンカーの助手席で立ったまま答える。疲れるだろうに。独裁者もたいへんだ。そして、満場がナチス式敬礼をする党大会でのヒトラーの観閲や演説。全体主義とは「美しい国」なりと訴える映像が、これでもかと迫ってくる。
#184 2015.10.24 1984 1956 DVD鑑賞 自宅で オーウェル『1984年』の初映画化で日本では劇場公開されていない。「ビッグブラザーがあなたを見ている」のポスターが街中にあふれる。これは比喩ではなく現実だった。それを甘くみた主人公がテレスクリーンのない部屋で恋人と逢瀬を重ねる。だが、それは鏡の裏に取り付けられていた。取り調べで、指を4本出されて、「党が5本だといえば5本だ」と洗脳される。その効果はてきめんで、ラストで主人公は心の底から「ビックブラザー万歳!」と叫ぶ。面従腹背はむしろ健全なのだと強く思った。
#183 2015.10.18 チャイルド44 2015 下高井戸シネマ   スターリン体制下末期のソ連を舞台にしたフィクション。少年が猟奇的に次々と殺されていく。被害少年は44人に。しかし、理想社会を実現した社会主義の下では、殺人は論理的にありえないことになっていた。唯一の例外は「資本主義の汚染」によるものだ。そうではない真相を知る主人公が妻とともに犯人をつきとめる。殺伐とした射殺や拷問、暴力シーンの連続で目を背けたくなったが、ラストでやっと心が和む。主人公はKGBの前身であるMGB(国家保安省)のエリート捜査官。求婚された女性はそれを断れない。性交中の妻の醒めた表情はそれを訴えていたのだ。
#182 2015.10.16 さらば友よ 1968 TOHOシネマズ府中   アラン・ドロンのかっこよさが炸裂する。「おれの目を見ろ」といって女性に迫り、キスできてしまうのは世界中でアラン・ドロンだけだろう。そんなドロンに気を取られながら観ていると、突如筋立てがどんでん返しして、前半ぼーと観ていたことを後悔する。ドロンといえば、太田裕美の名曲「赤いハイヒール」の1番に「アラン・ドロンとぼくを比べて」という歌詞があるのを思い出した。ドロンと比べられてはたまらない!
#181 2015.9.27 ADDICTION〜
今日一日を生きる君 〜(演劇)
「今日一日を生きる君」
プロジェクト
2015 ユーロライブ
(東京・渋谷)
  内谷正文の一人芝居。弟の覚せい剤中毒の様子を、自身の体験をもとに迫真の演技で再現する。覚せい剤は使用を断っても、数ヶ月から数年後にフラッシュバックといって、使用時と同じ幻覚・妄想にさいなまれる。その様も演じられる。そのあとのトークショーで講演したアーサー・ホーランド牧師が、「薬物依存症は決して治らない」と言っていたのも印象的だった。
#180 2015.9.24 モダン・タイムス 1936 DVD鑑賞 ゼミ授業として 毎年度授業でかけるのだが、いつも刑務所で脱獄を企んだギャングをやっつけるまで。久しぶりにラストまで観る。ポーレット・ゴダードはきれいだな。波止場で荷揚げ前のバナナを子どもたちに投げ与えているのをみつかって、追いかけられる。追っ手を見事にまいて、自身でバナナをむいて「ざまあみろ」とばかりにほおばるシーンが、たまらなくかっこいい。その眼光は社会の矛盾を射貫くかのように鋭い。
#179 2015.9.10 エデンの東 1955 TOHOシネマズ府中   ご存じジェームズ・ディーンの代表作。同じ列にすわっていたお客さんがラストシーンにおいおい泣いていたが、ちっとも悲しさがこみ上げてこなかった。聖書の素養がないとこの映画の魅力をよく理解できないようだ。ディーンが双子の兄の恋人と観覧車に乗ってキスするシーンがcool! 『下町の太陽』(1963)でも彼氏のいる倍賞千恵子が倍賞に熱を上げる勝呂誉と浅草花やしきで「浮気」デートをして、観覧車に乗るシーンがある。ここから着想を得たのかな。倍賞はキスはしなかったけど。
#178 2015.9.3 チャップリンからの贈り物 2014 YEBISU GARDEN CINEMA   チャップリンへのトリビュート映画。随所にチャップリン映画を思い起こさせるシーンが編み込まれている。チャップリンの柩が盗まれた実話をヒントに、人のよさそうな移民二人組がチャップリンの墓から柩を掘り出し、別の所に埋める。深夜に二人でつるはしとスコップで作業するのだが、二人とも素手だ。ほんとにやったらすぐに手の皮がむけて、作業ができなくなる。そして、100万ドルの身代金を要求する。奇想天外というには幼稚な発想が笑えた。あえなく御用となる。ラスト近くで、寛大な判決で娑婆に出てきた実行犯の一人が妻と一人娘とともにチャップリンの墓に謝罪と感謝に訪れる。墓地の並木道を三人で歩くさまは『モダンタイムス』のラストシーンだ。希望の未来へと歩んでゆく。
#177 2015.7.20 ジョバンニの島 2014 DVD鑑賞 国家論授業 観るのは2回目。宮沢賢治が『銀河鉄道の夜』の着想を得たのが、樺太旅行だったこと、それがこの映画のモチーフになっていることを、ラストシーンのせりふのやりとりで気づく。去年、はじめて観賞したときは見過ごしていた。樺太の雪道で倒れた佐和子先生と子どもたちを救ったのは韓国人家庭だった。なぜ韓国人が。国家の不条理をいやというほど感じさせる。
#176 2015.7.19 動物農場(演劇) 演劇企画「ある」 2015 かもめ座(東京・阿佐ヶ谷)   オーウェルの小説『動物農場』を10人に満たない俳優がどう演じるのだろうと興味津々だった。なるほどこういう描き方になるのか。原作にはないくわしい説明(たとえば、種豚と食用豚の違い)があって勉強になった。終演後のアフタートークに出させられて、とんだ赤っ恥!
#175 2015.7.16 マジェスティック 2002 DVD鑑賞 ゼミ授業として 10年ぶりにみる。非米活動委員会の公聴会で蛮勇をふるって思いの丈を述べたピーターが、自分と瓜二つの「ルーク」の故郷に戻る。そこで、「ルーク」は虫が好かないと公言していた義手の男が「よく帰った」とピーターと握手するシーンがいい。第2次大戦で「ルーク」は戦死し、その男は右腕を失ったのだ。映画館「マジェスティック」でのピーターのような心のこもった接客はうれしい。映画への心の高まりはこの瞬間からはじまるのだ。
#174 2015.7.10/11 君よ憤怒の河を渉れ 日本 1976 DVD観賞 自宅で 文革後の中国で大ヒットした高倉健主演の映画というので、妻と夕食をとりながらみる。高層階にあるホテルのレストランから窓ガラスを簡単に割って自殺できたり、車の運転しかできない健さんがいきなりセスナを操縦できたり、容疑者をピストルで蜂の巣にした検事と刑事に正当防衛が認められたり。「ありえねえ〜」と爆笑。ただ、最後の精神病院での薬による人間改造のシーンには、悪寒が走った。
#173 2015.7.10 赤線地帯 日本 1956 角川シネマ新宿   赤線地帯とよばれた「特殊飲食街」。売春防止法の成立は1956年5月だが、その直前の吉原で働く女性たちの群像を描く。「人類最古の仕事」で夫と坊やをかつかつで養う妻が、「ミルクも買えないでどこが文化国家だ」と叫ぶシーン、その結核の夫が安っぽいラーメン屋でラーメンをうまそうにすするシーン。そしてなんといっても、計算高く男から大金を掠め取る女を演じる若尾文子の美しさといったら!
#172 2015.6.24 グローリー 2014 立川シネマ・ワン   アメリカ南部の黒人差別は1964年の公民権法の成立で解決したわけではなかった。映画の舞台となったアラバマ州セルマでは、依然として黒人市民のうち有権者登録をされている者は、わずか2%にすぎなかった。洗礼を受けるために黒人の少女たちが集まった教会が爆破され、キング牧師率いる黒人の行進に賛同して、はるばるボストンからやってきた白人牧師がその夜、白人に撲殺される。今に至る人種差別、黒人蔑視の根深さをまざまざと思い知らされた。
#171 2015.6.18 あん 日仏独 2015 新宿武蔵野館   実に1996年まで隔離され続けた元ハンセン病患者を、樹木希林が諦観しきった穏やかさで演じる。彼女がつくる絶品のあんのおかげで、永瀬正敏が訳あり店長に扮するどら焼き屋「どら春」は繁盛する。が、やがて世間のハンセン病への無理解が客足を途絶えさせる。彼女は店を辞め、店長は「世間の風は冷たい」とこぼしながら酒に溺れる。そして、彼女の訃報を知る。すべてを飲み込んだ店長が、桜が満開の公園に屋台を出し「どら焼き、いかがですかー!」と野太い声で叫ぶラストが、万感胸に迫る。
#170 2015.6.2 ジェームス・ブラウン
最高の魂(ソウル)を持つ男
2014 角川シネマ有楽町   貧しさから才能を開花させ、全米トップのソウルミュージックシンガーにのぼりつめたジェームス・ブラウンの生涯を、『42』でも主演だったチャドウィック・ボーズマンが本物さながらの熱演で描く。ちょうど読んでいた山田太一(2013)『月日の残像』新潮社にも、アメリカで成功することの「すさまじさ」が書いてあった。想像を絶する重圧に絶えかね、家族や仕事仲間に当たり散らす。挙げ句の果てはドラッグに手を染める。「少欲知足」という仏教の戒めを思い出した。
#169 2015.5.28 ハーツ・アンド・マインズ
ベトナム戦争の真実
1974 新宿シネマカリテ   ベトナム戦争終結から40年の今年、国会では戦争法案が審議され、政権側のしどろもどろの答弁が続く。彼らにこそこの映画を観てほしい。多忙な首相には、米兵が街頭でベトナム人の頭を無造作に打ち抜き、そこから噴水にように血がほとばしり出るシーンだけでいい。形容する言葉がみつからない惨劇のウラでだれかが大儲けしていたのだ。
#168 2015.5.3 蒲田行進曲 日本 1982 DVD観賞 自宅で 当たり前だが、映画はスターだけでは成り立たない。スターを引き立てる「その他大勢」のいわゆる大部屋俳優がいるのだ。時代劇では斬られ役で顔さえろくに映らない。「大部屋にいると性根が腐る」とは本作品中のせりふである。ある大部屋俳優が、斬られて39段もの階段を転げ落ちる役に手を挙げた。下手をすれば命を落とす。本番までの彼の葛藤を、深作欣二監督が画面いっぱいに描く。チャップリンの『黄金狂時代』のラストシーン近くで船の階段を転げ落ちるシーンがあるが、あれも命がけだったのだと気づく。
#167 2015.5.1 パレードへようこそ 2014 シネスイッチ銀座   ラストシーンには涙が止まらなかった。渋谷区で「同性パートナーシップ証明書」を定めた条例が今年3月31日に可決された。イギリスではすでに1980年代半ばに、同性愛者が「カミングアウト」し、炭鉱労働者を支援する活動に立ち上がっていた。もちろん彼らは様々な差別や偏見にさらされるが、それを逆手にとって支援の輪を広げていく。小さなところからしか世の中は変わらない。しかし着実に変わっていくことに勇気をもらった。
#166 2015.4.23 グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜 2014 角川シネマ新宿   内戦のスーダンから孤児になった子どもたちが、1000キロ以上離れたケニヤの難民キャンプまで素足で歩いて逃げる。途中、「生きたい」といいながら自分の尿を飲むシーンが胸に突きささる。13年のキャンプ生活のあと、アメリカ移住が認められる。そこでも次々に苦労に見舞われる彼らを世話する、キャリー役のリース・ウィザースプーンの演技がいい。そして、ラストで感動的な「グッド・ライ」が実行される。
#165 2015.3.12 プライベート・ライアン 1998 DVD観賞 自宅で 冒頭のノルマンディー上陸の戦闘シーンから圧倒的だ。四肢が飛び散り、内臓がえぐり出され、海が真っ赤に染まる。大きな犠牲を払って上陸を果たした中隊長にいっそう不条理な作戦命令が下る。生死不明のライアン二等兵を探し出せと。中隊長はそれまでに二人の部下を失う。臨終直前の部下にモルヒネをもっと打ってくれとせがまれ、「打て」と命じる中隊長の苦悩。戦争の愚かさを、最初と最後にだけ出てくる星条旗と十字架がさらに印象強く訴える。
#164 2015.3.6 42 世界を変えた男 2013 DVD観賞 ゼミ有志と 戦後まで大リーガーには白人選手しかいなかった。初の黒人大リーガーとなったジャッキー・ロビンソン。露骨な差別、聞くに堪えないヤジを強靱な精神力で耐え抜き、プレーでそれらをねじ伏せていく。まさに背番号42の背中が無言で雄弁にアピールする。それを理解したチームメイトが試合中「みんな42の背番号をつければ違いがわからなくなるのに」とジャッキーに語るシーンが印象的。こうして、毎年4月15日は大リーグの全試合で全選手が背番号42をつけ、背番号42は大リーグ全球団の永久欠番となる。
#163 2015.2.23 地上(ここ)より永遠に 1953 TOHOシネマズ府中   ちょうどアカデミー賞発表の日にみた。真珠湾攻撃直前のハワイの米兵の腐敗ぶり。軍隊につきものの、酒とたばことギャンブル。そしていじめ。これらがなければ精神の平衡を保てない「軍」なる組織の根源的ゆがみが描かれる。素手でボクシングを戦うシーンがあるが、ボクシングの選手が素手で殴り合ったのだからあんな程度の傷ではすまない。そして真珠湾攻撃の朝を迎える。半信半疑の住民に対してラジオで「real attack」と連呼される。日常は突然非日常に変わるのだ。
#162 2015.2.17 ふしぎな岬の物語 日本 2014 下高井戸シネマ   吉永小百合の演技力に改めてすごいと思った。テルマエ・ロマエの阿部寛が五右衛門風呂で素っ裸になるのが可笑しい。杉田二郎・堀内孝雄はじめ「ブラザース5」の合奏も魅せる。そして、村治佳織のギターが作品を見事に包みあげている。帰宅して、ギターを猛練習した!

#161

2015.2.8 深夜食堂 日本 2014 新宿バルト9   午前0時から店を開ける「深夜食堂」。様々な人生を背負った客がやってくる。マスターの小林薫はじめ豪華キャストなのだが、深夜が舞台だけにしんみり仕上がっているところがにくい。みんな小さなプライドを糧に生きているんだなあと心に浸みいる。多部未華子がつくる卵焼き、うまそうだった
#160 2015.2.2 ドラフトデイ 2014 TOHOシネマズ六本木ヒルズ   ちょうどスーパーボウルの日にみた。NFLのドラフト会議の一日を描く。ドラフトの指名順位をトレードできたり、会議で各チームが選手を指名するのに与えられる制限時間が10分だったり(その間にも他チームからトレードの誘いがくる)、こんなにおもしろい仕組みをよく考え出したものだ。時間ぎりぎりになって、ゼネラル・マネージャーが“Deal!”と叫んで交渉成立。駆け引きのスリルを存分に堪能できた。
#159 2014.12.26 バンクーバーの朝日 日本 2014 新宿ピカデリー   時代は日華事変からアジア太平洋戦争の開戦にかけて。バンクーバーの日系人社会の希望を担った野球チーム「朝日」が、屈強なカナダ人チームを野村克也ばりの頭脳プレーの数々でなぎ倒していく。審判のカナダ人びいきの判定に、カナダ人観客から「Be fair!」(フェアにやれ)とのヤジが飛ぶ。これが逆の状況だったら、こんな直言は出ただろうかと感銘を覚えた。主人公の妹役の高畑充希が披露する英語の歌も見どころの一つ。ただ、歌詞の和訳を字幕で流してほしかった!
#158 2014.11.26 俺たちに明日はない 1967 TOHOシネマズ府中   名画の評価が高いが、人が虫けらのように殺されていく映画は好きになれない。ラストシーンで主人公の二人が蜂の巣にされるシーンには息を吞んだ。こんな結末が用意されていたとは。二人を追いかけていった警察が州境で引き返すシーンは笑えた。連邦国家とはこういうことか
#157 2014.11.20 マダム・マロリーと
魔 法のスパイス
インド/UAE/米 2014 新宿武蔵野館   楽しい映画だった。30年間ミシュランの一つ星だった南仏の田舎のレストランが、インド人の若き天才シェフの働きでたった1年で二つ星にのし上がる。天才シェフは三つ星を狙うパリの高級店に引き抜かれてすっかり有名人に。しかし心の空洞を拭えない彼は、最後は恋人のいる田舎の店に舞い戻る。そもそもミシュランは旅行者向け情報誌なのだから、これでいいのだ。原題がTHE HUNDRED-FOOT JOURNEY だと最後にわかってニヤリとした(ここにすべての含蓄があります)。
156 2014.11.12 グレース・オブ・モナコ 仏米ベルギー伊 2014 TOHOシネマズ府中   アルジェリア戦争の戦費がかさんで財政難に苦しむドゴールが、税金のかからないモナコに籍を置く仏企業に課税して仏に支払うことをモナコに強要する。主権国家とはいえモナコは仏にインフラを依存し軍隊ももたない。仏がモナコを併合することなど造作もない。ハリウッド女優からモナコ公妃に転じた主人公が、世界の首脳を集めた舞踏会で感動的なスピーチを行い危機を救う。「ローマの休日」のラストシーンが脳裏に浮かんだ。
155 2014.11.6 下町の太陽 日本 1963 神保町シアター   あの頃は女にとって結婚は「就職」だったという母の言葉を思い出した。下町と銀座、オフィスと鉄工所、若さと老いなど見事なコントラストが全編を覆う。ラスト近くで、勝呂誉に電車内で「つき合ってくれ、おれはまじめなんだ」と言い寄られ、クスッと笑ってドアから外を眺める倍賞千恵子がすごくかわいい。
154 2014.10.30 ウィークエンドはパリで 2013 シネスイッチ銀座   結婚30年記念のパリ旅行に出かけたイギリス人夫婦。過去の屈託をまぶしたとげとげしい会話、あるいはきわどいシーンの連続。他人事とは思えない。反面教師にしなければ。でも、食い逃げ、ホテル代金の踏み倒しはないよ。ラストシーンのダンスで救われた。
153 2014.10.22 めぐり逢わせのお弁当 インド 2013 新宿シネマカリテ   今週もまたインド絡みの映画になった。メールではなく手紙、パソコンではなく手書き書類、主人公の上の階に住むおばさんとは窓から声を掛けて会話する。現代のパラドクスに満ち、あのやもめと主人公はどうなるのか想像をかきたてるエンドが心に波紋を残す。開巻直後の鉄道シーンもいい。
152 2014.10.17 ミリオンダラーアーム 2014 TOHOシネマズ府中   野球経験のまったくないインドの二人の青年が、1年足らずの練習で大リーグからオファーを受けるまでを描く。主人公もさることながら脇役たちも光る。通訳のアミトや老スカウトのレイのせりふがいい。
151 2014.10.10 パークランド
 ケネディ暗殺、真実の4日間
2013 下高井戸シネマ   銃弾を受けたケネディが搬送されたパークランド病院で必死の治療を施す医師たち。ケネディがコルセットを着けていたことに驚く。これが命取りになったのだ。ケネディの遺体をワシントンに運ぶかどうかで、シークレットサービスと地元警察が縄張り争いをするのも興味深かった。
150 2014.8.1 GODZILLA ゴジラ 2014 TOHOシネマズ府中   迫力はあるし、メッセージ性もわかる。だがなにか心に響かない。いかにもカネをかけてるぞというショットの連続に、ちょっとしらけてしまうのか。
149 2014.7.21 人生案内 ソ連 1931 DVD鑑賞 国家論授業 院生時代に感激して2度観たこの映画を久しぶりに学生たちと。ソ連の単なるプロパガンダ映画に終わらない真実がこの映画にはある。浮浪児ムスターファの風貌は寅さんに似ていると笑ってしまった。
148 2014.7.6 街の灯 1931 三軒茶屋シネマ   ラストシーンで、心の奥底から突き上げてくる名状しがたい心の揺さぶり。これを感じるのはこの一本しかない! 7月20日閉館のこの名画座で観賞できてよかった。
7月18日のゼミで学生たちとまた観ました。
147 2014.7.6 アーティスト フランス 2011 三軒茶屋シネマ   どこかでみたシーンがけっこうあるなと思いながら見終わる。しばらくして、あれは「ニューシネマパラダイス」だ、「ショーシャンクの空に」だ、「アパートの鍵貸します」だ、「ライムライト」だ、と気づいた。名画の名場面集の集大成だったのだ。
146 2014.6.27 カンタ!ティモール 日本 2012 武蔵野公会堂   インドネシア国軍に非道の限りを尽くされても、「報復はしない」の背景には土着宗教的信念があったのか。当時もいまも国軍の片棒を日本が担いでいる。全編を彩るギターの調べ。もっとギターを練習します!
145 2014.5.21 テルマエ・ロマエⅡ 日本 2014 TOHOシネマズ府中   毒にも薬にもならない娯楽映画かと思ったら、とんでもない。立派な反戦映画だった。この時代にまさに警世の一本。
144 2014.4.14 動物農場 英国 1954 DVD鑑賞 国家論授業 毎年度初回授業の恒例行事。革命は常に裏切られる運命にあると学生たちとうなづき合う。
143 2014.3.13 ジョバンニの島 日本 2014 新宿ピカデリー   8.15を過ぎて色丹島に侵攻してきたソ連軍とその家族。共存を強いられる島民たち。同じ教室に壁一つを隔てて日ソの子どもたちが学ぶ。やがて交流が始まるが、2年後に島民たちは樺太送りに。オルガンを取り上げられた佐和子先生のギターが胸にしみる。ターニャもたまらなくかわいい!
142 2014.3.7 インディ・ジョーンズ
クリスタル・スカルの王国
2008 DVD鑑賞 ゼミ有志と 赤狩り時代の大学の雰囲気が少しわかったが、冒険物はやはりタイプじゃないと再確認した。最後にUFO飛ばすなよ。
141 2014.2.19 大統領の執事の涙 2013 新宿ピカデリー   1960年代でもこんなひどい黒人差別がまかり通っていたのか。ケネディは毎日103錠もの薬を服用していた。
140 2014.2.7 小さいおうち 日本 2013 TOHOシネマズ府中   奉公している一家の幸せを壊すまいと、奥様の手紙を届けなかったことを「原罪」として背負い続けて逝った女中。不倫話を上品に描く。
139 2014.1.23 ドラッグ・ウォー 毒戦 香港・中国 2012 新宿シネマカリテ   皆殺しのラストに度肝を抜かれたが、もっと目を見張ったのはそのあとの薬物を注射する中国の死刑シーン。
138 2014.1.15 マイヤーリング 1957 新宿シネマカリテ   「オードリー唯一の未公開映画」と鳴り物入りの宣伝だったが、たわいないメロドラマにしかみえなかった。
137 2013.12.26 ハンナ・アーレント ドイツ 2012 新宿シネマカリテ   時代といえばそれまでだが、主人公のすさまじいチェーンスモーカーぶり。圧巻であるラストの8分間の講義でいきなり吸い始めるとは。
136 2013.12.16 サンチャゴに雨が降る 仏・ブルガリア 1975 DVD鑑賞   政が軍を抑えられない悲劇。政軍関係の重要さを追体験できた気がする。
135 2013.11.22 気骨の判決(演劇) 日本 2013 紀伊國屋ホール   日常会話で「天皇陛下」という言葉が出ると、みな背筋を伸ばすのがおかしい。天下の紀伊國屋ホール、座席カバーが黄ばんでるぞ。
134 2013.10.30 ロシュフォールの恋人たち フランス 1967 下高井戸シネマ   いちばん肝心な伏線が最後の最後まで回収されずにはらはらする。背中のほくろが笑えた。
133 2013.10.3 タイピスト! フランス 2012 新宿シネマカリテ   ラブコメディは楽しい。フランスのキーボードはqwer順ではないことにびっくり!
132 2013.9.23 日独裁判官物語 日本 1999 DVD観賞 現代国家分析授業 日本で女性の最高裁長官が誕生するのはいつになるんだろう。
131 2013.9.19 私が愛した大統領 2012 TOHOシネマズシャンテ   出されたものを食べることが、相手への大きなメッセージになるんだ。
130 2013.9.11 メキシカン・スーツケース スペイン・メキシコ 2011 新宿シネマカリテ   メキシコがこんなに偉大な国だったとは。不明を恥じます。
129 2013.8.14 風立ちぬ 日本 2013 TOHOシネマズ府中   余命わずかな菜穂子が二郎に「来て」と誘うシーンに、胸がドキドキした。
128 2013.8.8 終戦のエンペラー 2012 TOHOシネマズ府中   結局、昭和天皇は偉かった、と言いたいのか
127 2013.7.27 猫の恩返し 日本 2002 録画観賞 自宅で さすがジブリ、みたあとほんわか温かい。主題歌もいい!
126 2013.7.22 グッドナイト&グッドラック 2005 DVD鑑賞 国家論授業 アメリカが自由の国だなんてウソっぱちだ
125 2013.7.21 立候補 日本 2013 ポレポレ東中野 泡沫候補という言葉は死語にすべきだ
124 2013.6.19 マリーゴールド・ホテルで
会いましょう
英米UAE 2011 ニュー八王子シネマ 人生に引退などない。「老い」の若さに感じ入る
123 2013.6.7 ヒッチコック 米国 2012 ニュー八王子シネマ サイコ上映中の劇場外で、漏れてくる音楽に合わせてヒッチが踊るシーンが可笑しい。
122 2013.6.2 男はつらいよ
 寅次郎夕焼け小焼け
日本 1976 DVD観賞 自宅で 志乃役の岡田嘉子が運命を語る台詞は、実は自分のことを言っている。
121 2013.5.19 東ベルリンから来た女 ドイツ 2012 下高井戸シネマ 東ドイツの一断面がよくわかる。身体検査をここまでやっていたのだ。
120 2013.5.1 リンカーン 米国 2012 新宿バルト9 戦闘でちぎれた多くの四肢が一輪車で運ばれる。したたる血を直視できない。
119 2013.4.19 船を編む 日本 2013 TOHOシネマズ府中 辞書の一語一語に編者の魂が宿っている。味読しなければ。
118 2013.4.15 動物農場 英国 1954 DVD観賞 国家論授業  
117 2013.3.6 世界にひとつのプレイブック 米国 2013 TOHOシネマズ府中
116 2013.3.1 ハート・オブ・ザ・ゲーム 米国 2006 DVD観賞 ゼミ有志と  
115 2013.2.14 人生の特等席 米国 2012 ニュー八王子シネマ ラストのクリント・イーストウッド「おれはバスで帰るか」がたまらなくかっこいい!
114 2013.1.29 東京家族 日本 2013 TOHOシネマズ府中
113 2013.1.21 十二人の怒れる男 米国 1957 DVD観賞 現代国家分析  
112 2012.12.24 レ・ミゼラブル 英国 2012 TOHOシネマズ府中
111 2012.11.30 黄金狂時代 米国 1925 DVD観賞 ゼミ授業として  
110 2012.11.1 あなたへ 日本 2012 TOHOシネマズ府中
109 2012.9.24 日独裁判官物語 日本 1999 DVD観賞 現代国家分析授業  
108 2012.8.5 The Lady アウンサンスーチー
 ひき裂かれた愛
仏英 2011 シネマスクエアとうきゅう
107 2012.7.23 シェルブールの雨傘 1964 DVD鑑賞 国家論授業  
106 2012.7.3/ 実録・私設銀座警察 日本 1973 ビデオ鑑賞 自宅で ヒロポンやめますか、人間やめますか
7.10/7.15
105 2012.5.31 幸せの教室 2011 TOHOシネマズ府中
104 2012.5.23 RAILWAYS 2 日本 2011 下高井戸シネマ
103 2012.4.19 マリリン7日間の恋 英米 2011 新宿バルト9
102 2012.4.16 動物農場 1954 DVD鑑賞 国家論授業  
101 2012.4.12 スーパー・チューズデー 2011 新宿ピカデリー
100 2012.4.4 ヘルプ 2011 TOHOシネマズ府中
99 2012.3.27 エリックを探して 英など 2009 DVD鑑賞 自宅で  
98 2012.3.22 マーガレット・サッチャー
 鉄の女の涙
イギリス 2011 TOHOシネマズ府中
97 2012.3.2 ゴジラ 日本 1954 DVD鑑賞 ゼミ有志とみる  
96 2012.2.23 さよならをもう一度 アメリカ 1961 TOHOシネマズ府中
95 2012.2.7 J・エドガー アメリカ 2011 TOHOシネマズ六本木ヒルズ
94 2012.1.27 素晴らしき哉、人生! アメリカ 1946 TOHOシネマズ府中
93 2012.1.23 十二人の怒れる男 アメリカ 1957 DVD鑑賞 現代国家分析授業  
92 2012.1.13 ディーバ フランス 1981 TOHOシネマズ府中
91 2011.11.16 マネーボール アメリカ 2011 TOHOシネマズ府中
90 2011.10.20 第五福竜丸 日本 1959 DVD鑑賞 ゼミ授業として  
89 2011.10.5 ロンゲストヤード アメリカ 1975 TOHOシネマズ府中
88 2011.9.28 夜の大捜査線 アメリカ 1967 TOHOシネマズ府中
87 2011.9.26 日独裁判官物語 日本 1999 DVD鑑賞 現代国家分析授業  
86 2011.7.21 12人の優しい日本人 日本 1991 DVD鑑賞 ゼミ授業として  
85 2011.7.18 動物農場 イギリス 1954 DVD鑑賞 国家論授業として  
84 2011.7.1 ダーティハリー アメリカ 1971 TOHOシネマズ府中
83 2011.6.8 もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を
読んだら
日本 2011 TOHOシネマズ府中
82 2011.3.7 森崎書店の日々 日本 2010 下高井戸シネマ
81 2011.3.3 英国王のスピーチ 英/豪 2010 TOHOシネマズ府中
80 2011.2.9 ブラック・サンデー アメリカ 1977 TOHOシネマズ府中
79 2011.2.7 ショーシャンクの空に アメリカ 1994 有楽町みゆき座
78 2011.1.21 黄金狂時代 アメリカ 1925 DVD鑑賞 ゼミ授業として  
77 2011.1.19 アパートの鍵貸します アメリカ 1960 TOHOシネマズ府中    
76 2011.1.12 フォロー・ミー イギリス 1972 TOHOシネマズ府中
75 2010.12.29 友川かずき 花々の過失 日/仏 2010 K's Cinema
74 2010.12.26 いとこ同志 フランス 1959 下高井戸シネマ
73 2010.12.12 ゲゲゲの女房 日本 2010 TOHOシネマズ府中
72 2010.11.29 裏窓 アメリカ 1954 TOHOシネマズ府中
71 2010.10.6 眺めのいい部屋 イギリス 1986 TOHOシネマズ府中
70 2010.9.8 おかんの嫁入り 日本 2010 TOHOシネマズ府中
69 2010.7.7 BOX 袴田事件 命とは 日本 2010 ユーロスペース
68 2010.6.25 国会へ行こう! 日本 1993 ビデオ鑑賞 ゼミ授業として  
67 2010.6.23 ブリット アメリカ 1968 TOHOシネマズ府中
66 2010.6.3 Railways 日本 2010 TOHOシネマズ府中
65 2010.5.30 トゥルーマン・ショー アメリカ 1998 DVD鑑賞 自宅で  
64 2010.5.27 男と女 フランス 1966 TOHOシネマズ府中
63 2010.5.17 エル・スール 西/仏 1982 下高井戸シネマ
62 2010.4.28 雨に唄えば アメリカ 1952 TOHOシネマズ府中
61 2010.4.14 密約 日本 1978 新宿武蔵野館
60 2010.3.28 スミス都へ行く アメリカ 1939 DVD鑑賞 自宅で  
59 2010.3.26 マイレージ、マイライフ アメリカ 2009 新宿武蔵野館    
58 2010.3.17 ある日どこかで アメリカ 1980 TOHOシネマズ府中
57 2010.3.10 おとうと 日本 2009 TOHOシネマズ府中
56 2010.2.26 インビクタス アメリカ 2009 TOHOシネマズ府中
55 2010.1.19 十二人の怒れる男 アメリカ 1957 DVD鑑賞 国家論授業として  
54 2009.12.28 カティンの森 ポーランド 2007 岩波ホール
53 2009.12.24 黄金狂時代 アメリカ 1925 DVD鑑賞 教養演習の授業で  
52 2009.11.26 ブタのいた教室 日本 2008 DVD鑑賞 自宅で  
51 2009.11.15 1984 イギリス 1984 ビデオ鑑賞 自宅で  
50 2009.4.9 いのちの戦場 フランス 2007 ユーロスペース
49 2009.3.29 シェルブールの雨傘 フランス 1963 K's Cinema
48 2009.3.28 コマンダンテ 米/西 2003 DVD鑑賞 自宅で  
47 2009.3.27 ターミナル アメリカ 2004 DVD鑑賞 自宅で  
46 2009.3.19 おくりびと 日本 2008 TOHOシネマズ府中
45 2009.3.10 小三治 日本 2009 神保町シアター
44 2009.2.19 この自由な世界で 英伊独西 2007 下高井戸シネマ
43 2009.1.15 チェ 28歳の革命 米/仏/西 2008 TOHOシネマズ府中
42 2009.1.8 一ダースなら安くなる アメリカ 1950 DVD鑑賞 自宅で  
41 2008.12.27 実録・連合赤軍
 あさま山荘への道程
日本 2007 TOLLYWOOD
40 2008.12.24 動物農場 イギリス 1954 立川シネマ2
39 2008.5.21 犬の生活/サーカス アメリカ 1918/ K's Cinema
1928
38 2008.5.2 キッド/巴里の女性 アメリカ 1921/ K's Cinema
1923
37 2008.2.21 ぜんぶ、フィデルのせい フランス 2006 恵比寿ガーデンプレイス
36 2008.2.18 陰日向に咲く 日本 2008 調布パルコシネマ
35 2008.2.3 母べえ 日本 2007 TOHOシネマズ府中
34 2008.1.25 モダン・タイムス アメリカ 1936 新宿ガーデンシネマ
33 2008.1.6 街の灯 アメリカ 1931 新宿ガーデンシネマ
32 2007.12.29 黄金狂時代 アメリカ 1925 新宿ガーデンシネマ
31 2007.12.21 人間革命 日本 1973 DVD鑑賞 ガバナンス研究科授業で  
/2008.1.18
30 2007.8.16 十二人の怒れる男 アメリカ 1957 ビデオ鑑賞 自宅で  
29 2007.7.19 虹をつかむ男 南国奮闘編 日本 1997 ビデオ鑑賞 自宅で  
28 2007.3.23 虹をつかむ男 日本 1996 ビデオ鑑賞 自宅で  
27 2007.2.26 ルワンダの涙 英/独 2005 立川シネマ2
26 2007.2.15 不都合な真実 アメリカ 2006 TOHOシネマズ府中
25 2007.2.2 それでもボクはやってない 日本 2007 TOHOシネマズ府中
24 2007.1.19 真昼の決闘 アメリカ 1952 ビデオ鑑賞 二部ゼミ授業  
23 2006.5.18 グッドナイト&グッドラック アメリカ 2005 TOHOシネマズ府中
22 2006.2.10 ホテル・ルワンダ 英/伊/南ア 2004 立川
21 2006.1.18 ニューヨークの王様 イギリス 1957 ビデオ鑑賞 自宅にて  
20 2005.12.27 チャーリー イギリス 1993 ビデオ鑑賞 自宅にて  
19 2005.8.25 たそがれ清兵衛 日本 2002 ビデオ鑑賞 自宅にて  
18 2005.1.18 マジェスティック アメリカ 2001 ビデオ鑑賞 自宅にて  
17 2004.8.25 華氏911 アメリカ 2004 立川
16 2004.8.20 真昼の暗黒 日本 1956 ビデオ鑑賞 自宅にて  
15 2004.3.25 グッバイ・レーニン ドイツ 2003  恵比寿ガーデンプレイス 
14 2003.9.16 ローマの休日 アメリカ 1953 テアトルタイムズスクエア
13 1999.6.26 ライフ・イズ・ビューティフル イタリア 1998 銀座
12 1999.3.25 のど自慢 日本 1999 銀座
11 1999.2.23 マイ・スウィート・シェフィールド イギリス 1998 銀座
10 1998.12.1 うなぎ 日本 1997 シェフィールドSHOWROOM
9 1998.10.26 フルモンティ イギリス 1997 ビデオ鑑賞 自宅にて  
8 1997.10.17 うなぎ 日本 1997 府中グリーンプラザけやきホール
7 1997.1.20 ニクソン 1995 ビデオ鑑賞 一部ゼミ  
6 1997.1.8  大地と自由 英/西/独 1966 岩波ホール
5 1997.1.6 麗しのサブリナ 1954 ビデオ鑑賞 自宅にて  
4 1996.6.3 シンドラーのリスト 1993
3 1996.2.10 Shall We ダンス? 日本 1996 調布パルコシネマ
2 1995.10.30 病院で死ぬということ 日本 1993 ビデオ鑑賞 一部ゼミ授業  
1 1995.6.5 僕らはみんな生きている 日本 1992 ビデオ鑑賞 一部ゼミ授業